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助産師向け研修の種類・対象・カリキュラム・費用と期間

公開日:2026年8月5日

助産師が対象となる研修には、分娩介助技術の実践研修から新生児蘇生法(NCPR)講習、CLoCMiP認証などがあります。それぞれの対象者・カリキュラム・費用・期間の目安、受講後に広がるキャリアを解説します。

助産師向け研修とは

助産師は、妊娠・出産・産後ケアという母子の命に直接かかわる専門職です。医療技術や制度は継続的に更新されるため、免許取得後も研修を通じた知識・技術のアップデートが欠かせません。日本では助産師向けの研修が公的機関・学会・医療機関など多様な主体によって提供されており、キャリアの段階や目的に応じて選択できる環境が整いつつあります。本記事では、助産師が受講できる研修の種類・対象・カリキュラム・費用・期間・受講後のキャリアへの影響について、実用的な視点から整理します。なお、各研修の詳細要件や費用は年度・主催機関によって変更される場合があるため、受講前に必ず最新情報を公式窓口で確認してください。

助産師研修の主な種類

助産師向けの研修は、目的・主催・対象経験年数によって大きく以下のカテゴリに分類できます。

  • 新人・現任教育研修:就業直後や経験の浅い助産師を対象とした基礎的な実践力の底上げを目的とする研修
  • 専門・認定資格に関連する研修:学会や職能団体が認定する資格取得・更新のための研修
  • 行政・公的機関主催の研修:都道府県・厚生労働省関連機関が実施する研修(母子保健施策との連携を含む)
  • 院内・施設内研修:各医療機関が独自に設計・実施するOJT型および集合教育型の研修
  • eラーニング・オンライン研修:学会や民間事業者が提供する、場所を問わず受講できる形式の研修

新人・現任教育研修

対象者と概要

日本助産師会や各都道府県助産師会では、主に就業1〜3年目の助産師を対象とした現任教育研修を実施しています。助産師として独立した実践を行うための基礎的な技術と判断力を育成することが主な目的です。

主なカリキュラム

  • 正常分娩の介助技術・アセスメント
  • 異常の早期発見と緊急対応(産科危機的出血、新生児蘇生など)
  • 産後・授乳支援の実践的アプローチ
  • 助産録の書き方と法的位置づけ
  • 倫理的課題への対応(インフォームドコンセント、意思決定支援)

費用・期間の目安

都道府県助産師会主催の現任教育研修は、複数日程にわたって実施されることが多く、年間を通じた研修パッケージとして提供される場合もあります。受講料は研修の規模・日数によって異なりますが、会員向けには数千円〜数万円程度の設定が多く見られます。非会員は割増料金となることが一般的です。

専門・認定資格に関連する研修

助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー:CLoCMiP)

日本助産師会・日本看護協会・日本助産評価機構が連携して整備している「助産実践能力習熟段階(CLoCMiP®)」は、助産師の実践能力を段階的に示す指標です。レベルⅢ(アドバンス助産師)の認証取得には、指定された研修の受講・実績の証明・審査が必要であり、5年ごとの更新制度が設けられています。

  • 対象:一定の実務経験(概ね5年以上を目安とする場合が多い)を持つ助産師
  • 主な要件:所定の研修単位の取得、分娩介助件数などの実践実績、自己評価・他者評価の提出
  • 費用:審査料・認証料として数千円〜1万円台程度が設定されているが、研修受講料は別途必要
  • 期間:研修受講から申請・審査まで数か月単位で計画的な準備が必要

新生児蘇生法(NCPR)講習会

日本周産期・新生児医学会が認定する新生児蘇生法(NCPR)は、分娩に立ち会う医療職が習得を求められる技術講習です。助産師にとっても実務上の必須スキルとして位置づけられており、定期的な更新受講が推奨されています。

  • 対象:産科・新生児に関わる医師・助産師・看護師など
  • カリキュラム:気道確保・陽圧換気・胸骨圧迫などの実技演習と筆記・実技試験
  • 費用:コースの種類(Aコース・Bコースなど)によって異なり、概ね5,000〜15,000円程度の受講料が目安
  • 期間:1日(数時間〜終日)程度のコースが中心

その他の関連研修・資格

  • J-CIMELS(日本母体救命システム普及協議会)講習会:産科危機的出血や心停止への対応を学ぶ実践的コース
  • 母乳育児支援(IBCLC・BFH関連)研修:母乳育児に関する専門的知識と支援技術を習得する研修
  • 助産所開業・院外助産に関する研修:嘱託医・医療機関との連携体制や開業に必要な実務知識を扱う研修

行政・公的機関主催の研修

都道府県や市区町村、国立保健医療科学院などの公的機関が実施する研修もあります。これらは地域の母子保健施策と密接に関連しており、産後ケア事業・新生児訪問・妊産婦の相談支援などの業務に従事する助産師を主な対象としています。受講料が無料または低額に設定されているものが多く、公費が充当されているケースもあります。

  • 産後ケア事業に関する研修(都道府県主催)
  • 妊産婦メンタルヘルス支援に関する研修
  • 性と生殖に関する健康教育・思春期保健研修

院内研修とeラーニングの活用

多くの病院・診療所では、助産師を対象とした院内研修を年間計画として整備しています。シミュレーション教育(分娩シミュレーターを使用した実技など)やケースカンファレンスが中心であり、職場内での継続教育として機能します。近年はオンライン研修・eラーニングの普及も進んでおり、育児や夜勤などで時間的制約がある助産師でも受講しやすい環境が広がっています。

研修受講後のキャリアへの影響

助産師研修の受講は、以下のような形でキャリアに影響します。

  • 実践能力の可視化:CLoCMiPレベルⅢ(アドバンス助産師)の認証取得により、一定の実践能力を客観的に示せるようになります
  • 担当業務の拡大:助産所開業・産後ケア施設・地域保健分野など、勤務先の種別を超えた活躍の選択肢が広がります
  • 教育・指導的役割:経験年数とともに、後輩指導や院内研修の企画・運営に関わるポジションを担うケースもあります
  • 専門性のアップデート:制度や医学的エビデンスが変化するなかで、継続的な研修受講が安全な助産実践の基盤となります

助産師としての専門性は、免許取得がゴールではなく継続的な学習によって深められるものです。自身のキャリアの段階や関心領域に応じて、段階的に研修を選択していくことが実践力の向上につながります。研修内容や要件は主催機関・年度によって変わる場合があるため、受講を検討する際は日本助産師会や各学会の公式情報を最新版で確認することをおすすめします。

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この記事の監修者
高司 浩 社会保険労務士・行政書士

社会保険労務士(登録番号13240309)・行政書士。労働条件・社会保険・資格制度の専門家として、資格・給料・働き方に関する記事の正確性を監修しています。

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